矯正で治せる歯並びの種類
悪い歯並びを不正咬合(ふせいこうごう)といいますが、その種類はいくつかに分けられます。ここでは不正咬合の定義と代表的な8種類について解説します。ご自身の歯並びで当てはまるものがある場合は、矯正治療で治せるかもしれませんので、まずはお気軽に京都府の宇治ゆうた矯正歯科までご相談ください。
悪い歯並び(不正咬合)とは?
不正咬合とは、歯並びや咬み合わせに異常がある状態です。歯列がきれいなU字型をしておらず、食事の時に噛みにくさを感じる場合は、何らかの不正咬合が認められるかもしれません。不正咬合は、親御様から遺伝する面も少なからずありますが、生まれてきてからの生活習慣が原因となるケースも珍しくありません。

不正咬合は、見た目が悪いことで口元のコンプレックスになるだけでなく、歯周病や虫歯のリスクが高まる、咀嚼や嚥下、呼吸する機能を低下させるなど、さまざまな弊害をもたらしかねないため、矯正治療で改善するのが望ましいです。
悪い歯並び(不正咬合)の種類
悪い歯並び・咬み合わせを意味する不正咬合は、以下の8種類に大きく分けられます。
出っ歯(上顎前突)

上の前歯やあごの骨が前方へと突出した歯並びで、専門的には上顎前突(じょうがくぜんとつ)といいます。出っ歯は、見た目が悪い、口呼吸になりやすい、前歯で噛みにくい、歯磨きしにくいなどのデメリットを伴います。出っ歯は、Eラインを乱す原因にもなっているため、矯正治療によって、横顔の輪郭を美しくできることもあります。
出っ歯の原因
出っ歯の原因としては、舌で前歯を押しだす癖、口呼吸、4歳を過ぎた後に指しゃぶりを続けていることなどが挙げられます。下のあごの成長が遅れることも出っ歯の原因のひとつです。
受け口(下顎前突)

下の前歯やあごの骨が前方へと突出した歯並びで、専門的には下顎前突(かがくぜんとつ)といいます受け口には、見た目が悪い、前歯で噛みにくい、前歯や奥歯にダメージが加わりやすいなどのデメリットを伴います。上下の前歯が隙間なくぶつかる咬み合わせを切端咬合(せったんこうごう)と呼び、前歯が摩耗したり、破折したりするリスクが著しく高い状態にあるため、注意が必要です。
受け口の原因

受け口の原因としては、下のあごの過成長、上のあごの劣成長、あごを前に突き出す癖、舌で下の前歯を押しだす癖、口呼吸などで舌の位置が下がる低位舌(ていいぜつ)などが挙げられます。
乱杭歯・八重歯(叢生)

1歯1歯が別々の方向を向いているガタガタの歯並びで、専門的には叢生(そうせい)といいます。その中でも上の犬歯が外側に出ている症状を八重歯と呼び、日本人でよく見られる不正咬合の一種といえます。乱杭歯は、清掃性が悪くて歯周病や虫歯のリスクが高い、見た目が悪い、食べ物が噛みにくいなどのデメリットを伴います。スペースが不足しているケースが多く、抜歯が必要となりやすい歯並びでもあります。
乱杭歯の原因
乱杭歯の原因としては、あごの骨が小さい、歯列弓が狭い、歯のサイズが大きい、歯の数が多い(過剰歯)などが挙げられます。
すきっ歯(空隙歯列)

歯と歯の間に不要な隙間が存在している歯並びで、専門的には空隙歯列(くうげきしれつ)といいます。その中でも上の前歯の真ん中に隙間がある歯並びを正中離開(せいちゅうりかい)と呼び、審美障害が強く現れやすいです。歯と歯の間に食べものが詰まりやすい、息漏れによる発音や滑舌の乱れ、見た目が悪いなどのでデメリットを伴います。
すきっ歯の原因
すきっ歯の原因としては、あごの骨が大きい、歯のサイズが小さい、歯の数が少ない(先天性欠損歯)、一部の永久歯があごの中に埋まっている、上唇小帯(じょうしんしょうたい)の発育異常などが挙げられます。
開咬

開咬(かいこう)とは、奥歯で噛みしめた時に、上下の前歯の間で隙間が生じている状態です。前歯で食べ物が噛めない、見た目が悪い、口呼吸になりやすい、奥歯に大きな負担がかかるなどのデメリットを伴います。開咬は多くの不正咬合の中でも深刻な悪影響をもたらしやすいため、小児矯正の必要性が比較的高いです。
開咬の原因
開咬の原因としては、4歳以降も指しゃぶりを続けている、上下の前歯の間に舌を挟む癖がある、上下のあごの骨格的なアンバランスなどが挙げられます。
交叉咬合

交叉咬合(こうさこうごう)とは、歯列内の一部の歯が交叉する形で咬み合っている状態です。交叉咬合には、食べ物が噛みにくい、特定の歯に大きな負担がかかる、歯が欠ける・折れる、咬み合わせが横にズレることで顔が歪むなどのデメリットを伴います。
交叉咬合の原因
交叉咬合の原因としては、上下のあごの骨のアンバランス、あごが曲がっている、頬杖をつく癖、片側だけで噛む癖、口呼吸、永久歯への生え変わりの異常、歯の喪失による影響などが挙げられます。
深い咬み合わせ(過蓋咬合)

正常な咬み合わせは、上の前歯が下の前歯を2~3mm程度、覆っています。深い咬み合わせである過蓋咬合(かがいこうごう)では、上の前歯が下の前歯をさらに深い位置まで覆っています。そのため過蓋咬合には、前歯の摩耗や破折が起こりやすい、奥歯に大きな負担がかかりやすい、出っ歯も併発しやすい、顎関節症のリスクが高い、歯並びがさらに悪くなる恐れがあるなどのデメリットを伴います。
深い咬み合わせの原因
深い咬み合わせの原因としては、骨格的な異常、上顎骨の過成長、下顎骨の劣成長、歯の生え方の異常などが挙げられます。